マイナンバードットコム> マイナンバーショック> たくさんの預金口座はタンス預金にすべきか?

マイナンバーショック 郵便局編

これは北見昌朗の空想に基づく記事です。マイナンバーの導入を控えて、問題提議するために執筆しました。何ら具体的な根拠はありませんので、悪しからず。2015年4月。

ポチにレオ。郵便局に多くの預金口座があるが…
引き出してタンス預金にするべきか?

郵便局 通帳
写真はイメージです

名古屋市西区の兼業農家・田中田吾作さんは、新聞を見ながら溜め息をついていた。
フー、フー、とか。
ハー、ハー、とか。

何度も、何度も、である。このところ毎日続いていた。

悩みというのは、ほかでもない、郵便局に預けてある預金のことだった。

田吾作さんには多くの子供がいて、なんと10人もの息子がいた。その息子たちは、そろって1000万円ずつの預金を持っていた。つまり合計1億円である。
田吾作さんの預金1000万円を足すと、合計1億1000万円になった。

郵便局の預け入れは1000万円まで

名古屋市西区では、区画整理によって土地成金になった人が多い。もとは田んぼだったのだが、地下鉄の駅ができたおかげで宅地造成が進み、土地の価値が上がった。

田吾作さんは、賃貸アパートをいくつも建てて収入の増加をはかった。おかげで資産家になることができた。

そこでオカネを金融機関に預けるのだが、田吾作さんが好んだのは郵便局だった。「郵便局なら倒産の可能性がない」というのが一番の理由だ。

息子だという口座の名義人は、この通りである。

ポチ、レオ、ソラ、チョコ、コタロウ、マロン、レオン、ココ、リク、モコ。

やたらにカタカナの名前が多いが、実はこれ、すべて愛犬の名前だった。田吾作さんは犬が好きで、多くの犬を飼ってきた。

なぜ、自分ではなくて、愛犬の名前にしたのか、理由があった。
郵便局では預け入れの上限が、1000万円までと聞いていた。預金開設は今では本人確認が必要たが、昔はハンコさえあればスグできた。だから田吾作さんは、愛犬の名前を使ってきた。

マイナンバーで預金がバレる・・・

郵便局の職員も、口座の名義が人間ではないことを薄々と知っていただろうが、何も言ってきたことはなかった。

ところが、マイナンバーの導入が始まってしまった。預金口座にマイナンバーがつけられるようになったら、預金がバレてしまう。税務署に捕捉されたら困る。それが悩みだったのである。

田吾作さんは、今のうちに預金を引き出すべきかどうか悩んでいる。
問題は、その後どうするかだ。タンス預金にするのも考えたが、防犯という点が気になる。

多額の現金がマイホームにあるという情報が漏えいしたら、命の危険さえある。セコムの資料を一応取り寄せてみたものの、踏ん切りがつかずにいる。