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奨学金:返還、所得に連動 18年度以降「マイナンバー」活用―文科省方針
毎日新聞2014年07月25日東京朝刊
文部科学省は、大学生向けの奨学金制度について、卒業後の年収に応じ返還月額を変える「所得連動返還型」を新たに導入する方針を決めた。豪州など海外では導入されているが日本では初。景気や雇用状況を踏まえて柔軟に対応できるのが特徴で、2016年開始予定の「マイナンバー制度」を活用し、所得状況を把握しながら運用する計画。来年度予算の概算要求で実態調査費や導入へ向けたシステム改修費を盛り込み、18年度からの導入を目指す。
国の奨学金事業は独立行政法人「日本学生支援機構」が担っている。同機構によると、貸与型奨学金の利用学生は今年度、無利子、有利子合わせ約140万人。貸与額は月12万―3万円で年間平均額は約80万円。卒業後20年以内で完済する。
無利子で4年間計約260万円を借りて15年間で完済する場合、返済月額は約1万5000円。現行では、年収300万円以下だと返還猶予制度があるが、300万円超だと、返還月額は固定されたまま。返還できないと年5%の延滞金がかかる。不況の影響などで返還できない人も多く、延滞額は925億円(12年度末)に上る。
所得連動型は、年収が減れば返還月額が減る仕組みで負担軽減になる。少額でも返済につなげ未返還金を減らす狙いもある。導入には所得情報が必要になるためマイナンバー制度を活用する。来年度は、返還を求める年収の下限額や年収に対応した各返還月額を検討・設定するために、実態を調査する。【三木陽介】
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