マイナンバーショック 風俗編その②
これは北見昌朗の空想に基づく記事です。マイナンバーの導入を控えて、問題提議するために執筆しました。何ら具体的な根拠はありませんので、悪しからず。2015年4月。
歓楽街から女の子が消えた日
写真はイメージです
2016年の12月、営業マンの太郎さんは困った。顧客を接待するために、キャバクラを予約しようとしたのだが、電話をすると「あいにく当店では女の子の確保ができていないのでご入店できません」と断られてしまうのだ。かけてもかけても同じように断られてしまうのだ。
太郎さんは逆に店に質問してみた。
「なぜ女の子がいないの? いったい、どうしたの?」と…。
「実はマイナンバーのおかげですよ。女の子はマイナンバーを恐れて風俗の仕事を辞めてしまったのです。本当に困っています」とお店は教えてくれた。
マイナンバーが導入されて、1年近く。名古屋の繁華街・錦3丁目では、風俗関係のお店から女の子の姿がパッタリと消えてしまった。
マイナンバーで副業が会社にバレる…
夜の風俗で働いていた女の子の間では、どうも噂が広まっていたようだ。その噂とは、こんな内容だ。
「マイナンバーのおかげで、夜に風俗をしていたことがバレちゃう。会社とか家とか彼とか、周囲にバレバレになっちゃう」
「住民税というのが問題ね。確定申告をすると、住民税は個人の収入に対し計算された金額が会社に知らされて給料引きとなるけど、そんなことしたら副業していることが会社にバレちゃう」
この「会社にバレる」というのは風説となって広まった。だから昼間に本業を持っている人は年末を待たずに店を辞めてしまった。
マイナンバーの影響は歓楽街のタクシーにも
名古屋の繁華街錦3丁目の付近は、キャバクラ、クラブ、スナック、ラウンジ、それからヘルスに至るまでお店が並んでいるのだが、おかげでどこも閑散としてしまった。たまに営業している店があっても、その前には男どもの凄い行列ができていた。
忘年会帰りの男どもは、遊びに行きたいのだが、いかんせん、店が営業していない。
「いったい、どうなっているんだ。これではまるでゴーストタウンではないか!」
「これじゃあ、ど不況になっちゃう」
男どももご立腹で、口々に不満を言い合っていた。
困ったのはタクシー運転手も同じだった。錦3丁目の付近には、忘年会帰りの客を拾うため多くのタクシーが並んだが、まったく上がったりの状態だった。
運転手も「マイナンバーのおかげで、本当に踏んだり蹴ったりだ」などと、ぼやいていた。